出雲の「神奈備山」



 出雲には四つの神奈備山があります。意宇郡の神奈備山は、「茶臼山」と今日では呼ばれています。秋鹿郡の神奈備山は、「朝日山」です。楯縫郡の神奈備山は、「大船山」です。そして、出雲郡の神奈備山は、「仏経山」と呼ばれています。

 島根県の説明の中には『「かんなび」とは、「神の隠れこもれる」という意味です。「かんなび山」は信仰の対象として古代人に祭られていた山のことを指します。一般には「神奈備」と書きますが、出雲国風土記には「神名火山」、「神名備野」、「神名樋」と書かれています。

 しかし、「かんなび」という言葉自体には、様々な解釈があり、必ずしも一義的なものではありません。そして、なぜその山が神奈備山とされたのかについても、たくさんの説があります。

 例えば、・・・『神奈備 (かんなび) 「かん」は神、「なび」はインドのナーギ(へび)の音からきている。かんなびの意味は神蛇となる。蒲焼きのうなぎの古語はむなぎ、「なぎ」はインドのナーギ(蛇の語彙)の音がぴったり。うなぎの祖語はインド古代語。あなごの「なご」も海蛇を意味している』・・・といったおもしろい見解もあります。

 その他に、四方にそびえて天を支えるという道教的な考えから、四方に神奈備山を置いた」とか、「東西南北の四方を拝する、四方拝の考えから四つの神奈備山が定められた」とか、「四つの神が国を守護するという、四神相応の考え方が反映されたものだ」といった考えがあります。さらには、それぞれの地域の中心地を遠くから見定めるための、「当て山」だとの考えもあります。

 また、これらの山にはある共通の特徴があるとされています。
 @円錐形で蛇がトグロを巻いたような山容、A磐座や巨岩があり、それを人々が崇拝していた、B四方から見晴らせる特長的な山、C山頂からは四方が見渡せ、国見、国誉めのようなことができた、Dふもとに人々の生活集落があり「集合的無意識」を生んでいた、といったことです。

 




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